前記事ではETRTO(エトルト)という規格があり、20インチタイヤには少し小さいサイズの406と、少し大きいサイズの451の2つが存在することを紹介しました。

本記事ではさらにWO(W/O)とHE(H/E)という規格について探っていきます。
WOとHEってなに?
WOとはワイヤードオン(Wired On)の略であり、(本来は)タイヤのビードワイヤーがリムの上に乗っかるタイプのタイヤ&ホイールであることを意味します。
HEとはフックドエッジ(Hooked Edge)の略であり、タイヤのビードワイヤーをリムの端に引っ掛けるタイプのタイヤ&ホイールであることを意味します。
つまり両者の違いはタイヤとホイールが組み合わさる構造の違いによるものなので、基本的にはサイズによらず両者に互換性は全くないということになります。
参照図:通販モノタロウの自転車タイヤ説明ページ より引用
ミニベロの20インチが2つある理由
WO規格とHE規格について調べていくと、下のような表をみかけることがあります。
WO規格 | HE規格 | |
自転車に占める割合 | 約80% | 約20% |
規格が生まれた国 | イギリス | アメリカ |
サイズ表記の単位 | インチ(分数) ミリメートル |
インチ(少数点) |
主な自転車 | ロードバイク | マウンテンバイク |
アメリカ発祥のHE規格はマウンテンバイクに多く採用されており、荒れた道でも走れるようWO規格より標準タイヤ幅(太さ)を太く想定しているようです。そのタイヤの幅はなんと2.125インチ!(約5.4cm)
このタイヤ幅はビーチクルーザーのようなぶっとさで、街乗り・サイクリング用の20インチミニベロにはちょいと太すぎるくらいですね。
ミニベロにちいさい20インチ(406)と大きい20インチ(451)の2つがある謎もだんだん解けてきました!
HE規格は太い2.125インチのタイヤを付けてそのサイズ(20インチ)になるホイールサイズなので、ホイールそれ自体のサイズがWOより小さく、20インチミニベロの場合は1.50インチや1.75インチを履かせることが多いので小さい20インチができちゃうということですね♪
しかも20インチタイヤはWO規格とHE規格の両方ともよく市場に流通しているので、より混乱したり間違える人も多そうです。
20インチタイヤを購入する際の注意点
それでは20インチミニベロにおいて、通販など自分で調べてタイヤ類(タイヤ・チューブ・ホイールなど)を購入するときの注意点を考えてみましょう。
やはり一番はETRTO規格(28−451など)の表示を商品詳細で探して、406と451を間違えないよう注意しながら、その上でタイヤ幅(太さ)を考えてを購入するのがベストでしょう。
406か451か分からない場合は、タイヤのサイドに表記されているのをチェックするか、この記事でのホイール実測値を参考にしてください。

しかし中にはETRTO表記がないものがあります。
タイヤチューブなどは1つの商品でタイヤサイズ・バルブ方式・対応するタイヤ幅(太さ)・チューブ厚さなど記載することが多いので、ETRTO表示がないことがあります。
こういう場合、20インチに限っていえば
WO(W/O)=451規格
HE(H/E)=406規格
となりますので参考にすることができます。
またインチ表示が小数点の場合は406、分数の場合は451になっていることを参考にすることできます。ただしこれには例外があり、1/8と3/8は406にも451にも存在し、1.00は451にも存在します(406には細すぎてほぼ存在しない)。
特に1/8は451で多く売られているタイヤ幅(太さ)なので、購入する場合は必ず他の規格もチェックして間違えないようにしてください!
タイヤサイドの表示 分数/小数はあくまでも参考程度に!
本当に互換性はないのか?
さらに調べていくと、タイヤの空気圧が高圧対応できるようになる段階でWOも構造はほぼHE化しているとのこと。つまり今はETRTO規格の数字が同じであればWOでもHEでも履けるもようです(ミニベロは独自規格・構造が多いので例外はあるかもしれない)。
ただ結局のところWOとHEではETRTOの数字が違うことが多いから履けないとされてるんですね。またホイールのリム幅もWOに比べてHEは太めの傾向があるので、HEに細すぎるタイヤは推奨されない(危ない)場合もあるみたいです。
ただ最近ではWO規格でもロードバイクを中心にワイドリム化が進んでおり、これが20インチにも増えてくればWOだのHEだの互換性だの言うことに意味がなくなるかもしれませんね。
参考文献:WO/HE と言うの、やめませんか?|クロスバイクで遊ぼう!